長内歯科ホーム

若き歯科医師たちへ--第2編--

女性

「あなたの目標は何ですか?」

「目標を持って、日々努力していますか?」
「歯科業界の現状をどこまで理解していますか?」
「自分の立場に甘えていませんか?」 
「本物の診療を見てますか?」
「尊敬するホンモノの師はいますか?」
「自分の診療を見直したことがありますか?」
「あなたの診療に学問的な裏付けはありますか?」

第1編はこちら

若き歯科医師達へのメッセージ

 ここでは、これから歯科医師として活躍する可能性を持った若き歯科医師達へ、私自身の歩んできた経験をもとにメッセージを送りたいと思います。そして将来、同士として患者さんの口腔健康の向上のために共に活躍できることを 期待しております。

(以上、第1編の冒頭句より)

第1編はこちら



(以下は、同業の新人歯科医師を対象とした文章なので、基礎的な専門用語を多用させていただきます。)

 先日当院にかかっている患者さんからの紹介で、当院から離れたところに住んでいる患者さんが、わざわざ二本のバスを乗り継いで受診されました。
 主訴は、今年に入ってから保険の入れ歯と保険外の入れ歯を二個作製してもらったが、「食事で痛みはないのだが、作ってもらった入れ歯が合わなく、特に左側で物が咬めない。食事の際、義歯の内面に物がよく入ってくる。」と言う内容でした。
  下顎はよくある両側遊離端の症例で、左右臼歯部が欠損し、そこに保険によるPDが装着されておりました。クラスプが緩んでいるものの、調整すると比較的適合も良く、問題ないと判断できるような義歯でしたが、上顎が・・・。

 上顎の詳細はと言いますと、残存歯は左右7番にFCKが装着。リジッドな設計にありがちなガイドプレーンやレストにはミリングを切ったような溝がありました(これは、リジッドな義歯を作製する上で良くやる方法です)。そして、左上3と4は残根で、2歯共にマグネットが埋め込まれコアのように装着されておりました(コレもマグネットでは良くある方法です)。つまり6から6の欠損義歯で7にはフレームから伸びるリジッドなクラスプ、左上34は残根上かつマグネットを装着されたデンチャーになっておりました。口蓋部分は上顎の保険外義歯で良く用いられる金属床義歯で、費用は総額55万円だったそうです。

 ここで問題点が2つ。良く患者さんと話し合ってみると、そこは患者さんにとって近隣の歯科医院で、インプラントの専門医として有名らしく、知り合いの衛生士さんの薦めで受診したようです(何を持って有名なのか分かりませんが)。上顎は保険内の義歯を作って間もなかったため、新製のために保険外義歯を薦められたようです。ある程度の出費は仕方ないと思い、作製を決意したようですが、患者さんは費用について装着直前に初めて伝えられ、驚いたようです。完成直前になって今さら断れない状況だったため、それなりの期待もあったので支払ったようでした。
  もう一つの問題点は、この義歯そのものにありました。明らかにメタルフレームと支台歯が不適合でした。左上はクラスプが完全に支台歯から浮いており、はまっておりません。強引に内面を合わせるためにリベースがされておりましたが、床が浮くばかりで何ら解決されておりません。結局は、クラスプが完全に支台歯から浮いているものの、左上のマグネットの磁力で義歯がくっついている状況でした。またマグネットが装着されている残根は、Pでポケットから排膿が有り、歯茎の炎症と共にぐらつき始めておりました。左上のクラスプの適合が悪い以上、咬合圧はこの残根にまともにかかってくるのでしょう。そう長くはもたない状況と予想されました。

  患者さんは、先に述べたような主訴を訴え、作製した医院にて何度も調整をしたようですが、そこの院長は何かちょっと義歯をいじっては、特に説明もなく終了という形で、繰り返し受診するものの、何一つ解決しない状況だったそうです。また左で咬めないことに関しては、「右で咬んでばかりいるからと言う説明を受け、左でも咬むように」と言われるだけだったそうです。確かに側方運動を調べたら、左側上下臼歯部の人工歯は、バイトが深くなっており、動かしにくそうでした。つまり左では咬みにくい人工歯排列となっていたのです。次に下顎義歯を外して側方運動をしてもらったところ、右の可動範囲が大きく左の可動範囲は小さかったので、確かに右咬みの癖はあったようです。ただし、顎関節がロックしているわけではないので、咬合調整を行ったら左にも幾分動くようにはなりました。患者さんに指示する前に、咬めるように側方調整をしておくべきだったのではないでしょうか?

  さて、今回のテーマ「いきなり55万円って」と言うことに関して、私は値段に驚き怒っているわけではありません。「費用面を含めた術前の話し合いをしなさい!」「術中術後はそれ相応の対応をしなさい!」と言う怒りに満ちているだけなのです。
  商品の良い面ばかりを伝えて、さんざん費用の話を引っ張り、最後に値段を伝えるというのは、インチキ臭いテレビショッピングのやり方です。医療では通用しません。
 またメタルフレームの不適合は、少なからず試適の段階で確認でき、修正をしておくべきだったでしょう。技工士さんには大変な作業かも知れませんが、歯科医師にとっては簡単な確認作業や再度の型取りで済みます。事情を説明すれば患者さんも技工士さんも同意してくれるはずです。ここは、どんなケースであっても妥協してはならない部分です。もしも試適の際に異変に気づかない様な歯科医師であれば、義歯をいじる資格はないと思います。(ましてやインプラントなんて、補綴の知識が不十分なまま行うべきではないでしょう。)
  こういう先生が開業をして、日々治療を行っていることを非常に残念に思います。この先生のホームページではインプラントだけではなく、審美歯科、歯周病治療など、患者さんを惹きつけるには十分な要素が盛り込まれておりました。また集患目的か分かりませんが、ご丁寧に成功例の患者さんによる喜びのコメントまで掲載されておりました。
  基本的な技術の裏付けや歯科医師としての資質なく、最新医療のみに走っている良い例だと思います。皆さんのような若い先生には、基礎学問や基礎技術の裏付けをしっかりと身につけてから、保険治療をしっかりと行い、その上で保険外を堂々とうたって欲しいと思います。医療は確かに必ずしも医療サイドと患者サイドが望むような結果が出るとは限りません。でも我々は治療費にかかわらず最大限努力すべきです。時には成功のために患者さんの協力も必要です。そのためには患者さんとの話し合いの時間をしっかりともって、成功すればそれでよし。思うような結果が出なくても、互いに納得するような人間関係を築かなくてはらないのです。患者さんとしっかりと信頼関係を築ける人間性を養って欲しいと思います。

  私の経験上、忙しそうな先生の医院は、技術面だけではなく、やはり基本的な学問や技術の裏付けプラス、患者さんとの話し合いをしっかりと行っており、かつ人間的に尊敬できるような院長であることが多いです。
  今回、私は敢えてこの患者さんに対する対応をどうしたかと言うことに関しては、皆さんにはネット上で回答いたしません。若い先生達には一緒に考えてもらいたいからです。私なりの答えは持っていますが、公開はしません。
  ただ患者さんにアドバイスしたことがあるのでお答えします。

  もちろん、前医を批判はせず、あくまでも心に留めた上でのアドバイスですが、「入れ歯の件で、何度受診して調整しても解決しないようなので、訴訟も考えつつ、無償に近い状況でのやり直し(保証)を求めないのであれば、これ以上その医院へは相談しても解決しないと思った方が良いと思います。義歯を作った先生も何とか解決しようと頑張ったとは思いますが、実力的な限界だと感じます。これ以上相談した場合、今度は欠損部分にインプラントの話を持ちかけてくるでしょう。そしてまた、満足のいくような結果が出ないまま、治療費だけがかさむことになると思います。金銭的に余裕があったとしても、そこの医院でのインプラントは避けた方がいいと思います。また今の義歯は、根本的な問題点の解決がないまま作られているため、他院でいじっても変わらないと断言します。もしも他院でいじってから、元の医院に戻って調整してもらおうと思っても、他院でいじったがために、より悪くなったと言われ、責任転嫁されると思います。それだけは絶対に避けた方がいいと思いますよ。」
  ここまで言ってしまうと、勘の良い先生ならその後私が何をしたのか予想がつくと思います。

  もちろん、この患者さんは診療時間とは別に私との1時間近くに及ぶ話し合いの末、来月も来たいと言っておりました。私は現状の中で自分が出来ることを、精一杯やるのみなのです。


広告について


 どの業種においても、広告というのは業績アップの一つの戦略としていることと思われます。CM、チラシ、新聞広告、看板、電柱広告、電話帳広告、情報誌への掲載、ホームページ・・・とにかく周囲を見回すと広告だらけである。ただし、医療においては「医療法による広告規制」が存在し、公開できる内容や情報さらに広告媒体に対して大いに制限がなされてしまうため、一般企業の工夫に満ちた広告とは違って、どの医院の広告を見比べても、差異は少ない。
 では、どこで差を作るのだろうか?差は出るのだろうか?誰もが考えることである。
 私の結論は、どちらも可能だし、あり得るということです。そして広告の活かし方や使い分けを知らない人があまりにも多く、費用対効果を考えると必ずしも成功とは言えない場合が多いと思っています。また工夫しているような広告もあるが、工夫の方向性に誤りがある場合も多く目にします。
 最近、業界の出版物は、金銭面や経理面だけでなく集患や成功も含めた広い意味での経営に関わるものが多く出版されており、よく売れています。私も興味を持って読むようにしています。さらに他業界にも同様な内容の書物がたくさんあり、歯科業界に応用できるヒントが満載です。その辺の内容については、各自、時間をかけて勉強をして下さい。
 話をすすめますが、医療の場合、広告の活用法はそれぞれ広告媒体によって、(媒体による広告内容に違いが出るのは当然なので)あえて「意識して」違いをつけなくてはならないと思っています。同じ業種が同じような内容で宣伝しても、効果の少ない行為であると考えます。医療法で制限のある我々の広告では、狭い制限の中で「医院の存在を知らせるもの」や「診療時間を知らせるもの」つまり周囲への認知が主であり限界でもある。従って個性はあまり感じられません。せいぜい予算をかけて大きい規模や派手にする程度である。電話帳広告なんて他の業種の人から見れば、「何だこれは?」と異様に思われるほど、スペースの取り合いとカラーの多さを競う(目立ったもの勝ち的な)価格競争になっているにもかかわらず、よく見ると内容はほとんど同じで個性を感じないものに見えるにちがいない。広告内容に規制がある分、目立たせようとすることで差をつけているのが現状である。ちなみに当院では、このようなくだらなく、きりのない競争には参加せず、費用対効果という面で大きく予算を使う必要がないと考えてもいるため電話番号だけを載せる一般的なものとしております。したがって、目立ちません。これは、電話帳広告における宣伝効果を捨てているといった状況です。

 次に電柱広告です。これは目的地にたどり着くまでの「道しるべ」とだけ考えた方がいいと思います。それ以外で、まず真剣に電柱広告を見ている人なんて皆無といえるでしょう。なぜなら内容はもちろん大きさ、規格共に規制があり、せいぜい医院名と連絡先・住所ぐらいしか掲載できないうえに、あちこちにいろんな企業の電柱広告があって、目立たないからである。従って主要な道路や交差点から医院へ矢印でたどり着けるように配置すべきで必要箇所に設置した結果、かかった費用をつぎ込めばいいのです。従って、当院のように住宅街の目立たない場所においては有効な手段となり得ますが、幹線道路沿いの目立つ場所ではあまり設置する必要がないという結論になります。ときどき、医院の所在地からかなり離れた場所に電柱広告をしている場合がありますが、これは費用の無駄とまでは言いませんが、ほとんど意味がない広告と思われます。
  結論として、電柱広告の場合は、使用目的により差をつけると言った感じになるでしょう。
  引き続きチラシについてですが、これもワンパターンにせざるを得ません。
ここにも医療法による縛りがあるためです。開院時、または開院何周年かの際に折り込み広告として出すことがありますが、目を通さずして処分されることも多いのかなと思いますし、見つけて取っておく方も多いようですし、費用対効果を考えた場合、私は答えを見いだせずにいるのが正直なところです。最近ではポケットティッシュに広告を交ぜる方法がありますが、実はこちらの方が手にした方々の目に多くとまるような気がしています。

 以上のように、医療法で制限される広告は様々ですが、縛りの中でいかに有効に利用することで集患効果を狙うかが大事だと言えましょう。じゃないと単なるワンパターンな案内と投資の無駄につながり、いっこうに患者さんも来てくれないという状況に陥ってしまいます。喜ぶのは、広告会社や印刷会社だけになってしまいます。

 ここまでは医療法による縛りで制限される広告について述べましたが、今のところ「事実」であれば自由に宣伝可能なホームページや、取材による雑誌や情報誌への掲載については、これまた「事実」と言うことを付け加えるが、一気にアピール可能なことが増えます。目的は広告であるが、今のところ医療法で制限される項目ではないので、自由度が増し宣伝効果が高くなります。
 ただしホームページの場合、せっかくの宣伝チャンスを逃してしまっているケースを多く見かけます。アピール度が不足しているといった方が分かりやすいでしょうか?良くあるのは、地図を載せたり、医院の写真を載せたり、院長やスタッフの写真を載せたり(人を載せているだけいいのですが、それすらないものも存在しています。どんな人が院長なのか分からないというのは、嫌われると思いますが・・・)、診療日と休診日の案内、虫歯や歯周病などと言った疾病に対する質問事項に院長が回答するような内容だったり、数行の内容でうわべだけとも受け取れる治療への取り組み姿勢だったり、症例自慢だったりします。まず大事なのは、これからかかりたいと思っている患者さんが、安心してかかる気になるかという内容が掲載されているかなのです。そう言う意味で、診療姿勢や院長を含めた診療の信念(理念)が絶対に掲載されねばなりません。これを述べたら本を一冊書けるぐらいの量になるはずです。私はそう思います。医療に対してそれぐらいの信念を持っていなくてはならないと思います。逆に簡単に述べられる信念であれば、信念そのものに疑問を抱いてしまいます。 ホームページは一見、どこも違いがあるように感じますが、それは画面のデザインがそう思わせているに過ぎないことが多いのです。まだホームページがあるだけいいのかもしれませんが、実際は中身の薄いものが多いですから、良く見比べてみて下さい。本当に患者さんが知りたいと思うことが深く述べられているかどうか・・・。

 これからますます情報化社会になりますから、パソコンがあればいろいろな情報を得ることが出来ます。さらに勝手に各家庭のポストに医院の情報を掲載した冊子みたいなものが入っていたり人の集まるところに冊子が置いてあったり、簡単に記事から情報を得られます。冊子については、診療所や病院紹介をテーマにしたものを多く見かけます。私の診療所にもたびたび掲載依頼に営業マンが来たりします。彼らの営業トークは巧みで、ライバル医院が掲載しているといった事を伝えてきたり、発行部数が多いとか、宣伝効果が絶大だとも言ってきます。ついつい誘惑されてしまいそうになります。

 しかしほとんどの場合、かなりの高額を請求されます。解釈上「取材による記事」という名目のため「広告」とはならなく、規制に縛られないのでアピール度が増すのですが、取材を受けて、記事の掲載料を払うというのは、何か違和感を感じます。ただ内容を見る限りは宣伝目的の広告にしか見えません。ここを有効に活用している医療機関があります。しかし残念ながら、活用できる記事内容には、スペースに制限がありますから、果たして患者さんに伝えたいことがしっかりと述べられているかどうかという疑問も生じます。さらに、同じページには、同業(ライバルとも言える)の記事も掲載されておりますので、下手をすると見比べられて損をする場合も多いでしょう。さらに取材では、いいことしか記事にされません。この辺をどのように考えるかが大事だと思います。当院では、今のところ無料のもの以外は全てお断りしております。やはり費用対効果に依然として疑問があるのと、高額な掲載料がネックになっております。ただし、やるときはでっかく「ドカン!」と記事にしようと思っておりますが、まあ、当分はしないと思います。もっと良い方法を考えているからです。 それは、自費出版でそれこそ歯科医療に対する思いの全てを本にして配るとか、広告料はかけずに設備投資に費用をかけ、現時点で来院して下さっている患者さんの満足度をより高くし、他の追随を許さないほどの支持を得るとか、初診時に300円の歯ブラシを差し上げるといった方が、有効だと思っております。

 ここまで述べてくると私があまり広告を重視していなくて、費用をかけていないということに気が付きますでしょうか?実はその通りです。
  本当の広告の発信源は、当院に来て下さって満足されている患者さん一人一人なのです。当院の問診票には、「なぜ当院を選んだのか?」というアンケート項目があります。最近来院される方の多くが「口コミや評判」と言う解答に印を付けてくれております。きっとどこかで誰かから当医院の取り組みを知って、来院したということになります。こうなると特に費用をかけて広告で集患する必要がなくなってきます。もちろん当医院のキャパシティは、まだまだ一杯とは言えませんが、口コミをしてくれた方、またそれによって来院された方を一人ずつ大事にし、次の口コミにつながるよう努力(実際は特に意識して努力はしていなく、あくまでも自身の理念で診療し、毎日を過ごす)すれば、いずれはどんな広告よりも効果が現れてくると思っております。どうせ長い歯科医師人生なのですから、広告による一時的な集患よりも、上記のような取り組みをして地道にやっていき、それが「結果的に」将来の集患につながればという考えでいます。
 ある本によれば、「口コミはコントロール可能なものだ」と書かれております。これは本の通り実践していますが、実際にその通りだと感じております。書籍名はごく親しい同業者にしか言えませんが今の当院に大いなる影響を与えた一冊となりました。

 患者さんが来ないのは、広告不足だの競合医院の存在だの云々と言う前に、自身のホームページでしっかりと診療姿勢を主張し、毎日の診療姿勢にもはっきりと表すことから始めるべきだと思います。さもないと、我々よりもっと営業上手な、広告会社の巧みなトークによって、もしかしたら必要ないかもしれない広告費を無駄に支出するだけになり、経営悪化をますます助長する結果につながる恐れがあるのではないでしょうか?
 広告が悪いとは思いません。私は活用法と費用対効果を考え自院に合ったものを選択すべきだと考えております。また、ホームページでは、「歯を削らない」「歯を抜かない」といった何ら根拠の示されていない安易な言葉(初期虫歯を削らずに、予防管理により保存すると言う意味だろうし、予防意識のない方の歯を抜かなければ、隣の歯に悪影響が出て、将来的に共倒れにつながることもある。また重度の歯周病にもかかわらず、歯を抜かないのなら、医療サイドの技術と患者サイドの治療への参加と意識改革が必要になる。また自然に抜けるのを待たない限り、歯周病治療では絶対に抜かないという事なんてあり得ない。)で集患を狙うのではなく、そのポリシーを裏付ける理念や診療システム(取り組み)を長々と主張しなければ、時には「事実と違う」といった悪い口コミにつながる可能性だってありますから、そのあたりも考えて主張すべきでしょう。

 以上、広告をテーマに記述いたしましたが、広告によって来院した患者さんが、そこをかかりつけとして利用してくれるかどうかは、患者さん自身が受けた感想で患者さん自身が決めることだということを絶対に忘れてはならないと思います。
 我々はそういった環境(システム)作りを常に見直しながら、将来的な集患につながるよう日々努力を怠らないことが常々大切だと感じておくべきでしょう。


シリーズ「私のこだわり」

  1. 根管ファイル・リーマー
     皆さんは、根管治療で使うファイル類は、何番からお持ちでしょうか?
    まさか、#15からしか持っていないとか、#15が一番細いと思ってはいないでしょうか?
     私は超極細の#06から#08#10#12と揃えております。使用頻度は細いほど少ないですが、実はこれらの極細ファイルにかなり救われた経験があります。
     ここで考えていただきたいのは、粘ったけれども#15で根尖まで届かなかったらどうしますか?ということです。患者さんには、「根の先が狭くなっていて貫通させられませんね、従って届く範囲までをしっかりと消毒しておきます。」なんて言っているのではないのでしょうか?もしも、もっと細いファイル類があったら、患者さんの根治はもっとベストな状態で行えたかもしれません。たまたま細いファイルを持っていない医院に来てしまったがために、良い治療とは言えない結果になってしまったら、患者さんが気の毒です。来ていただいた患者さんに失礼になると思われます。これが、業界で存在する器具を用いても無理なケースはありますが、器具が存在しているにもかかわらず、その存在を知らないとか、揃えていないとか、そう言ったくだらないところで 患者さんの大切な歯に半ば妥協とも言える治療をするというのは、いかがなものかと思います。持っていない方や、知らない方がいましたら是非揃えていただきたいと思います。
  2. コンポジットレジンのシェード
     CR充填は、日常の治療でも頻度の高い治療です。これは、削ったところに、残りの歯と調和した色の材料を詰めて光で硬化させる治療ですが、歯の色は患者さんごとにまちまちです。実は詰める作業よりも、色を合わせる方が難しいかもしれません。
     ちなみに当院で所持しているシェード(色合い)は、BW(ブリーチングホワイト)、Int(白)、XL(ほんの少し黄色みを帯びた白)A05、A1、A2、A3,A4,OP(金属色を隠すオペーク色)、OA2、OA3,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3、C4の計19色です。
     つまり削った後に、19色の中からなるべく近い色を詰めると言うことになります。さて、ここで皆さんは何色お持ちですか?
     まさか5?6色の中からだいたい近い色で詰めているのではないでしょうか?ホワイトニングはしているけれども、BW色を持っていないなんて事はないでしょうか?マッチする色がないのを、患者さんの歯の色のせいや、充填後に染みいるステインのせいにしていないでしょうか?これも、シェード数を抱えていない医院に行ったがために、患者さんがかわいそうな目に遭う一例だと思います。私は、時にはこの19色をフルに活用し、一本の歯でも三色ほど使う場合もあります。他のページにも記述していますが、「自分でされたら嫌なことは、患者さんにしてはならない」の精神に則るならば、出来るだけシェードは持ってマッチする色で詰めてあげる方が良いと思います。ただし、色が多い場合、各色を歯に合わせる目を持つことに、スタッフも含めて少々時間がかかります。早期に修得したいならば、抜去歯牙での練習を勧めます。
     当院では、充填前、切削後、充填後に口腔内カメラにて撮影し、その色の違いと、充填技術をモニターで確認してもらっていますが、見た患者さんは非常に満足しているように受け止められます。一色たったの3000円程度で揃えられますから、是非とも買いそろえていただきたいと思います。
     また、充填直後の写真を保存しておくことで、後々の変色と比較すれば、材料の劣化や着色による変色と言うことにも、患者さんの同意が得られやすいです。若き歯科医師達には是非とも真似ていただきたい私のこだわりです。
     最後に、このページは同業の若い先生向けの内容ですが、HPで公開している以上、患者さんの目にもとまる可能性があります。これから前歯の詰め物をしてもらおうと電話で初診を申し込む際に、「そちらには詰め物は何色ぐらい揃えていますか?」なんて確認をしてくる患者さんが出てくるかもしれません。その質問に堂々と答えられるように、ソフトやハード面はしっかりとしておいた方がいいと思いませんか?
   今後も続く・・・

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長内歯科 新川診療所

札幌市北区新川一条5丁目1番36号
TEL:0120-68-0371
TEL/FAX 011-766-7322

    診療時間:
  • 月-木/9:30-13:00,14:30-19:30
  • 金&土/9:30-12:30,14:00-17:00
  • 休診日:第一土・日&祝祭日,開院記念日(9月1日),年次有給日(要確認)